■どうしてさくらんぼはこんなに高いの?
時々こんなドストレートな質問が来ます。
そうですよね、私も山形に来る前はそう思っていました(_)
もちろん需要が高いからというのも一因ですが、意外とさくらんぼは作るのにお金がかかるのです。

1⃣人件費が高い
さくらんぼの樹、1本にだいたい5000~10000粒ぐらい実ります。
これを収穫するのは全部「人」なんです!
収穫だけでなく、実を大きくするためにこの何倍もの量の摘芽・摘果を行うのももちろん「人の手」です。
箱に入ったさくらんぼ、1キロで約100~170粒詰まっています。これを詰めるのも全部「人」です。
特に綺麗に並べられたさくらんぼは、収穫するのも詰めるのも年期や技術が必要で
昨今なかなか人手が集まりにくく、農家さんは毎年人手に悩まされています・・・。
2⃣暖房代がかかる
さくらんぼは、梅雨時が収穫時期なのですが湿度に弱い果物です。
なので、農家さんは収穫時期が近付くと雨よけテントと呼ばれる巨大なビニールハウスを立てます。(正しくは、鉄骨部分はすでに建ててあり、時期が来ると鉄骨に沿ってビニールを貼る作業を行います)
私たちがよく見るビニールハウスのおよそ倍の高さはあるかも(写真をご覧ください)

日光が当たるように、透明度の高い綺麗なビニールを貼るにはお金(と労力)がかかりますよね。
また、早出しのさくらんぼは早く実をつけるよう、この中で暖房を焚いて温めて生育を促します。
そのため燃料代や電気代がかかるのです。
3⃣リスクが高い
①②をクリアしても、楽に収穫できないのがさくらんぼ。
収穫直前に大雨や高温で一気に傷んでしまったり、鳥に食べられたり、受粉期が寒いと実が生らなかったり・・・
逆に豊作すぎて値下がりしたりと実際に売れるまで何が起こるか分からないのがさくらんぼ。
収獲するまでに何百万とお金をつぎ込んでいても、一晩で駄目になることもあるそうです。
さくらんぼは確かに安くはありません。
しかし値段が高くても、その分の費用や手間、労力などを考えてみると相応なのかもしれませんね。
「果物の品質にこだわる方が増えたので、昔よりもずっと手間をかけないと売れないです」とのこと。
ちょっとシビアなお金事情でした。